26,000人を超える従業員の協力を得ることができた理由
効果的な社内周知の方法とは
効果的な社内周知の方法とは
- 社名
- 株式会社LEOC
- ユーザー数
- エリア
- 掲載日
- 2024.7.23
課 題
安否確認を電話やチャットツールを活用し人力で対応していたため、非効率だと感じていた
クライアントから緊急事態発生時の対応の提示を求められたこともあり、BCP策定の重要性を再認識。安否確認体制の構築から進めることに
対 策
安否確認サービス2を導入し、気象庁の情報と連動した安否確認の自動一斉送信機能や掲示板機能を活用
社内報やメール、ポスター、問い合わせフォームなどを使用し、従業員全員に対してシステムの周知を徹底しつつ、API連携で人事管理システムとの情報共有を自動化した
効 果
安否確認の自動一斉送信機能により、管理側の負担が大幅に軽減されつつ、災害時の初動対応が迅速化
夜間や休日に災害が発生しても、安否確認を問題なく実施できる体制を実現できた
非常に多くの従業員を抱える同社。以前は安否確認システムを導入しておらず、安否確認対応は電話やチャットツールを用いて人力で対応していたそう。そんな状況のなか、会社としてBCPを強化することとなり、安否確認サービス2を導入しました。
今回は、安否確認サービス2を導入するまでの経緯や、導入後の社内への周知方法などについて、首都圏事業管理部の高田さんと宮﨑さんに伺いました。
26,000人の安否を確認するためには、自動化が必須だった
安否確認サービス2を導入する以前は、従業員の安否確認にどういった課題を抱えていましたか?
宮﨑さん:システムの導入以前は、すべて人力で安否確認を行っていました。災害が発生したら、管理部の人間が該当地域の従業員に電話連絡。電話がつながらない人に対してはチャットで連絡をしていました。
一人ひとりに連絡する必要があったため、とにかく非効率でしたね。安否確認の対象地域は、被災したエリアに限られるとはいえ、それでも1つのエリアに少なくとも200人以上の従業員が在籍しています。それだけの人数の安否確認を手作業で行っていたため、現場からは「この運用方法では対応が難しい」という声も上がっていました。
人力での安否確認には限界があったんですね。現場の声が、システム導入のきっかけになったのでしょうか?
高田さん:システムの導入理由としてはそれがまず1つ。あと、2018年に多発した水害がもう1つの理由です。
弊社の事業は、食というライフラインを支えています。そのため、水害が多発したタイミングで複数のクライアントから、緊急事態発生時の対応について提示を求められるようになりました。
そういったクライアントからの要望を受けて、あらためてBCP策定の重要性を認識。まずは安否確認を確実に完遂できる体制を作ろうということで、システムの導入を決定しました。
それからすぐに、システムのリサーチを開始。ピックアップしたいくつかの安否確認システムで比較検討を実施しました。2018年にシステムを検討しはじめ、安否確認サービス2を導入完了したのが2022年。時間がかかってしまいましたが、弊社にとって最適なシステムが導入できたと思います。
慎重に検討を重ねたんですね。具体的に安否確認サービス2のどういった点が、貴社に適していたのでしょうか?
宮﨑さん:一番の決め手は『コスト』でした。弊社は従業員数が多く、その全員の安否確認ができる体制を整える必要がありました。比較検討を実施したシステムのなかで、このシステムがもっとも低コストで運用できるとわかったんです。
もちろん機能面にも魅力を感じました。気象庁の情報と連動した安否確認の『自動一斉送信機能』、従業員の家族間で連絡をとり合える『家族メッセージ』。くわえて、『掲示板機能』など管理者側からの一方通行のコミュニケーションではなく、従業員側からも発信ができる仕組みがある。安否確認に必要な機能が揃っていると感じました。
反対に、システム導入にあたって不安だったことはありますか?
高田さん:パートさんにこのシステムが浸透するかどうかは、正直不安でした。
弊社の従業員は、7割がパート雇用。勤務場所も全国です。そのうえ年配の方も多く、デバイスを持っていなかったり、操作に慣れていなかったりするため、その方々全員に周知するのは大変だと考えていました。
全従業員に周知するため、徹底的に対策
システムの導入にあたって、ご不安に感じていた従業員への周知はどのように対応されましたか?
宮﨑さん:まず社内報やメールなど、複数の方法で全従業員に対して情報発信を行いました。さらに、登録方法について解説したポスターと動画を社内で作成。ポスターは各事業所に配布し、全従業員の目に触れるところへ設置しました。
その後、さまざまな事情から自主的にシステム登録を行ってもらうのは難しいと考えられる従業員を、各事業所からピックアップ。また、トヨクモさんの『FormBridge』を活用し、社内問い合わせ用のフォームも設置しました。ピックアップした従業員と、問い合わせてくれた従業員に対して、個別で登録指導を行いました。
システムの導入後、どのように活用されていますか?
高田さん:当初の目的通り、災害時の安否確認を行うために活用しています。令和6年能登半島地震で、はじめて実際の災害での安否確認が行われました。
発生が元日というイレギュラーなパターンではあったのですが、自動配信設定をしていたため、発生直後に安否確認が開始されました。
安否確認サービス2は設定しておけば、本震だけでなく震度5弱以上の地震が発生するたびに、該当地域の従業員に対して安否確認の通知が配信されます。最新の安否確認に回答をすると過去配信分は回答済みになる『上書き回答』の機能もあり、従業員側にかかる手間も考えられています。リアルタイムに従業員の安否状況が確認できたのは、管理側としてとても助かりましたね。
安否確認サービス2ならではの強みが発揮されたんですね。安否確認サービス2では、自由度の高い配信設定が可能です。貴社では、どのような設定をされていますか?
宮﨑さん:災害時に「従業員の安否確認」と「事業所の被災状況の確認」が行えるよう、自動送信の設定を2つ用意しています。
まずは従業員の安否確認。無事かどうかなど、個人の状況を答えてもらうものです。当初は、都道府県単位で『所属地域』を設定していたのですが、災害時に被害が比較的少ないエリアにも安否確認連絡が送信されてしまい、混乱したという声がありました。そこで、本当に確認するべき従業員にのみ安否確認が実施されるように、安否確認サービス2で設定できる最も細分化された地域区分に変更しています。
次に、事業所の被災状況の確認。従業員の安否確認と同時に配信されるよう設定しています。食事提供の可否や事業所のライフラインの被害状況、備蓄食料の状況など、被災後も事業継続が可能かどうかを確認できるよう体制を構築しました。
災害時、現場にいる従業員が回答するイメージです。
大企業が導入しやすい料金形態
安否確認サービス2のシステムとしての魅力を教えてください。
宮﨑さん:繰り返しになりますが、安否確認の自動一斉送信機能ですね。休日や夜間、どんなタイミングで災害が発生しても、該当地域に自動で安否確認が送信されるため、管理側の負担が以前と比べて大幅に軽減されました。
令和6年能登半島地震でも、この機能のおかげで災害に対する初動対応を迅速に行うことができました。いつ災害が起きても即座に対応できる、というのは大きな魅力だと思います。
安否確認サービス2は、どのような会社におすすめだと思いますか?
宮﨑さん:まず従業員が多い会社ですね。登録対象者が増えるほど、コスト面が課題になると思います。ですが安否確認サービス2の料金形態であれば、従業員が多くても導入しやすい。人事管理システムとの『API連携』もできるため、従業員情報をメンテナンスする工数も少なく、運用コストも抑えられます。
また、従業員の勤務時間が不規則な会社にもおすすめです。自動送信機能のおかげで、夜間や休日に災害が発生しても迅速に安否確認が行えます。管理部の従業員が人力で対応せずとも、安否確認が自動で実施されるというのは会社にとっても従業員にとっても安心できるポイントだと思います。
今後、安否確認サービス2を導入する企業へ向けて、アドバイスをお願いします。
宮﨑さん:全国に事業所がある場合、全従業員への周知がハードルになります。そのため、あらゆる手段を使って、どんな立場の従業員に対しても情報が届くようにする必要があります。
問い合わせ窓口を設置するのもおすすめです。システムに慣れていない人のなかには、システムと聞くだけで自分にはできないと思うと諦めてしまう人も少なくありません。そういった人にとって、気軽に相談できる窓口があることは、大きな手助けになるんじゃないかなと思います。
最後になりますが、安否確認やBCPに関する今後の展望を教えてください。
高田さん:まずはシステムを活用した訓練を実施しようと考えています。せっかくのシステムも、いざという時に使えなければ意味がありません。従業員が操作に慣れることができるよう、訓練を定期的に行っていく予定です。
またBCPについては、人命にとって重要な災害発生後から3日間は、各事業所単位で対応できるような体制をつくっていこうと計画しています。足元の部分としては、食料品をはじめとした備蓄ですね。災害が発生すると、交通の乱れも発生し、外部から物資を届けることは難しくなります。そうなった場合でも、従業員と会社を守れるような体制を目指していきます。
素敵なお話をありがとうございました。今後の防災・BCP対策においても引き続き安否確認サービス2をお役立てください!
※掲載内容は取材当時のものです。