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地震発生から1時間で安否確認が完了。従業員を守る体制を構築

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社名
アパホテル株式会社
エリア
掲載日
2024.10.29

課 題

  • 以前は電話で安否確認を実施していたが、時間と手間がかかり、回答率も低かった

  • システムに不慣れな従業員もいるため、安否確認システムを導入しても活用が難しいのではないかと懸念があった

対 策

  • 災害発生時、自動で安否確認が実施される安否確認サービス2を導入した

  • 安否確認サービス2の導入に伴い、改めて役割を明確にし、情報の共有方法をルール化した

効 果

  • 安否確認サービス2導入後に地震が発生した際には1時間で安否確認が完了。迅速に対応できる体制が構築できた

アパホテルネットワークとして850以上のホテルを展開し、リゾート事業、不動産事業など幅広い事業を展開するアパホテル株式会社。

以前は電話で安否確認を実施していたという同社。しかし、日本全国に施設と従業員を抱えているため、対象者をピックアップするだけでも時間がかかり、迅速な対応が難しかったといいます。電話がつながらない従業員も多く、回答率の低さも課題となっていました。

今回は、安否確認システムの導入を決断したきっかけや、安否確認サービス2の導入による変化について、人事部の井手さんと鵜澤さんに伺いました。

電話連絡・手動対応に感じていた2つの課題

安否確認サービス2を導入いただくまでの経緯を教えてください。

これまで安否確認は、従業員情報がまとまったデータから対象者を手作業で抽出し、所属長を通して、もしくは人事部から直接連絡する、という流れで実施していました。

ただ、この体制には大きく2つの課題がありました。

1. 連絡手段が電話であることによる回答率の低さ
メールアドレスをもっていない従業員もいるため、安否確認は電話で行っていました。ただ、メールやアプリであれば従業員の都合の良いタイミングで回答できますが、電話の場合は管理者と従業員、双方のタイミングが合わなければ連絡がつながりません。

被災地にいる従業員には、家族や友人からも連絡が来ます。そのため、会社を後回しにする方がいるのも当然で、1回目の電話で回答してくれる従業員の割合は5割程度でした。

2. 手動対応による運用面の煩雑さ
人事データの抽出はすべて手作業だったため、災害発生から安否確認の開始までに1時間以上かかっていました。また、複数人の管理者で分担し従業員に連絡していたこともあり、連絡状況を把握しきれず、同じ人に複数回電話してしまうといったケースもありました。

システムを導入しようと考えたきっかけについて教えてください。

きっかけになったのは、令和6年能登半島地震です。弊社は石川県で設立されたこともあり、現在も多くの従業員が石川県に在住しています。

令和6年能登半島地震が発生したのは元日だったため、本社は休業日でした。社用のパソコンが手元にない従業員も多く、安否確認に取りかかるまでに時間を要しました。

また、帰省のタイミングだったため、そもそも従業員がどこにいるのかを把握できないという問題も発生しました。こういった背景もあり、安否確認を開始できたのは、地震発生から数時間が経ってから。夜になったころでした。

以前から安否確認システムの必要性については社内で議論されていましたが、この地震をきっかけに導入を決定しました。

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システムの利便性を社内周知
自社に合った柔軟な安否確認体制を構築

数あるシステムのなかから、安否確認サービス2を導入した決め手は何だったのでしょうか?

システム選定における必須条件は『SmartHR』との連携機能でしたね。弊社は従業員数が多く、雇用形態も多岐にわたります。そのため、安否確認を完遂するには、常に従業員情報を最新の状態に保つ必要があります。すでに活用している人事労務ソフトのSmartHRと連携できれば、情報更新の作業がワンクリックで可能になるので、運用コストが抑えられるだろうと。そこで、『SmartHR連携機能』の有無を条件に探し、安否確認サービス2と別のシステムの2択まで絞り込みました。

最終的に安否確認サービス2を導入する決め手となったのは、「安否確認の対象地域や配信メッセージの内容を柔軟に設定できる点」と「操作性の高さ」です。

安否確認サービス2は、ユーザーの『所属地域』を188地域区分までに分けて設定できます。そのため、本当に必要な従業員だけに絞って安否確認を実施できるんです。これにより、安否確認の回答率の改善や、管理者にかかる手間の削減につながると考えました。さらに、『設問フォーム』や本文も自由に変更可能で、自社にとって必要な情報を効率的に取得できるのも魅力でしたね。

くわえて、直感的に操作でき、もし分からないことがあってもマニュアルを見れば解決するという運用のしやすさも決め手となりました。

はじめて安否確認システムを導入するにあたり、不安に感じる点はありましたか?

不安だったのは、社内への周知が進むかどうかでした。ITやシステムに慣れていない従業員も中にはいます。これまで電話で行っていたことを、急にシステムに変更することで現場が混乱し、より回答率が低くなるかもしれないと不安でしたね。

トラブルを防ぐためにも、トヨクモさんの『カスタマーサポート』に相談しながら慎重に導入を進めました。

システムを社内全体に周知するために、どのような対応をされたのでしょうか?

まず、「アプリをインストールさえすればOK。簡単に安否確認に回答できるようになる」という点を分かりやすく伝えるため、『トヨクモさんの操作ガイド』を基にした社内用マニュアルを作成し共有しました。

また、運用を開始するまでに試験的に活用する期間を設定し、そのなかで訓練も実施しました。そこで従業員から寄せられた疑問点に答えていくことで体制を整えていきましたね。

スマートフォンやPC、ガラケーなど安否確認サービス2に対応する端末を所有していない従業員については、どのように案内しているのでしょうか?

安否確認サービス2の活用が難しい従業員には、電話を活用するなど柔軟に対応しています。 

システムは、あくまで安否確認を行うための手段の一つ。安否確認ができれば、他の手段を用いても問題ありません。そのため、システムの利用が難しい従業員は「被災時は所属長に電話で連絡する」というルールを決め、連絡を受けた所属長が代理回答する流れにしています。

安否確認サービス2導入で会社全体の防災意識が高まった

安否確認サービス2を導入したことによって、どのような成果がありましたか?

大きな成果として、以下の2点が挙げられます。

・安否確認にかかる手間が大幅に削減できた
・正確かつ迅速に、従業員の安否状況を把握できるようになった

人力で行っていた安否確認の対象者の抽出と連絡が自動化されたことで、対応のスピードと正確性が格段に向上しました。また、回答の集計も自動で行われるため、管理者の負担軽減にもつながっています。
現場からも「システムを導入してよかった」という声が上がっています。

はじめての安否確認システム導入でしたが、良い結果につながったのですね。

はい。じつは、ちょうど最初の安否確認訓練を行ったその日に、宮崎県で震度6の地震が発生したんです。予測していなかった事態でしたが、訓練の甲斐もあり、約50名の対象者に安否確認連絡が自動送信され、1時間程度で全員から回答がかえってきました。以前の体制と比較すると、格段に迅速に対応できましたね。

最初の安否確認訓練

安否確認サービス2導入によって社内全体の防災意識が高まったと感じています。周りの従業員の登録は完了しているか、災害時にはどのような対応を取るべきかなど、事業継続のために自分が何をすべきか、深く考える従業員が増えました。

私自身も、安否確認サービス2導入を機に、改めて自宅の防災対策や通勤時の迂回経路を再確認しました。有事の際に迅速に会社と従業員を守る体制に移れるよう、日頃から備える必要があると認識したからです。

このように、従業員一人ひとりの防災意識が向上したことは、システム導入によってもたらされた大きな成果だと考えています。

素敵なお話をありがとうございました。今後の防災・BCP対策においても引き続き安否確認サービス2をお役立てください!

※掲載内容は取材当時のものです。

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