一斉訓練の回答結果で好成績を残した伊藤忠食品グループのBCP対策とは
- 社名
- 伊藤忠食品株式会社
- 業種
- ユーザー数
- エリア
一斉訓練の回答結果で好成績を残した伊藤忠食品グループのBCP対策とは
2011年3月の東日本大震災を契機に、地震をはじめとする災害への対策を会社全体として開始。社内の各組織を横断して形成されたBCM(事業継続マネジメント)分科会を作り、事業継続のための取り組みを推進する中で、BCP(事業継続計画)の策定もしてきたそうです。
今回、そのBCPの一環で、トヨクモの『安否確認サービス2』を導入していただきました。それまで使っていた安否確認システムから乗り換えた経緯や課題、導入効果などを人事総務部の阿部研人氏、法務・コンプライアンス部の田中俊輔氏、渡部康氏に伺いました。
社内問い合わせの負荷を減らすために、分かりやすく・使いやすい設計のサービスを選んだ
同社では従業員に貸与する携帯端末を2019年にガラケーからスマートフォンに変更したことを機に、安否確認ツールも見直すことになりました。
従来の安否確認ツールはメール返信をベースにしたサービスで、使用方法に関する社員からの問い合わせが多いことが課題でした。「ログインするためのアカウント情報を忘れた」、「端末を切り替えたので使い方が分からなくなった」などの連絡があるたびに、その都度事務局の対応が発生し、大きな負担になっていたそうです。
「安否確認が行われると、翌日の午前中は問い合わせの対応で、通常業務が手に付かない状況でした。」(阿部氏)
そこで、ユーザーがより簡単に操作でき、事務局としても使い勝手のいいサービスが必要だと、乗り換えるソリューションを検討することになりました。6~7社の安否確認ツールを比較し、最終候補に残ったのが3社。安否確認の機能自体はどのツールにも導入されていたのですが、最終的にトヨクモの『安否確認サービス2』が選ばれました。
「アプリでの回答が簡単なこと、掲示板の機能としてファイル添付ができることにメリットを感じました。また、アンケートなど、安否確認以外の使い方にも活用できると思いました。」(阿部氏)
「選んだ決め手になったのはメッセージ機能と掲示板機能がシンプルで使いやすそうだと思ったからです。その他には、ユーザーのログインやパスワード入力が他社製品に比べて利用しやすい設計になっていたところも好印象でした。」(渡部氏)
トヨクモの『安否確認サービス2』では、安否確認メールからの回答や集計結果の確認をログイン不要でアクセスできるため、誰でも簡単に使える操作感が決め手になったようです。
回答時間の最頻値なんと1分!優秀な結果の理由は食のライフラインを担うという意識の高さにあった
同社では、社員が出張していたり、プライベートで旅行している可能性も考慮し、震度5強の地震であれば全国のどこで発生しても、全従業員に安否確認メールを自動で発信するそうです。
以前利用していた安否確認ツールは伊藤忠食品と同社グループ会社2社で使っていましたが、『安否確認サービス2』の導入に合わせて、グループ会社の利用をさらに2社増やし、計5社の利用に拡大。そのため、新たに使い始めた2社にはこれから安否確認の利用をより浸透させていく方針ですが、現状満足する結果が得られています。
同社が2020年2月に『安否確認サービス2』を導入して以降、震度5強以上の地震は7回発生(12月9日時点)しましたが、以前の安否確認ツールの時よりも返信率は高くなっているそうです。特に、伊藤忠食品単体であればほぼ100%の回答率とのことです。
「安否確認メールを受信した全従業員から、出社できるか、怪我をしていないか、などを回答してもらうのですが、シンプルでわかりやすい機能のため、『使い方がわからない』という問い合わせはなくなりました」(阿部氏)
同社ではグループ会社を含めて、年に2回、上期と下期で独自に一斉訓練を行っています。抜き打ちで安否確認の通知を送り、24時間以内の回答数を確認し、結果を社内にフィードバックし、啓発に努めているそうです。結果は毎回95%ほどの回答率で、社員に十分浸透していることが伺える結果となっています。
トヨクモは年に1回、ユーザー企業に向けて全国同時の一斉訓練を実施しています。2021年は9月1日、937社31万1987ユーザーに向けて行いましたが、同社の訓練結果はとても優秀なものでした。
回答時間の最頻値が全社平均8.6分のところ、同社は1.0分。回答率の全社平均は83.4%のところ、同社は93.1%と圧倒的です。他の指標も軒並み良好な結果となっていました。
なぜ、こんなにレスポンスがよいのでしょうか?
「当社は食品卸売業を本業としていることから、電気やガス・水道と同じように、食品もライフラインの一つとして安定した供給を維持しなければならない、という考えが社員に根付いています。そのため、非常時に対しての危機意識は高いと考えています」(阿部氏)
選定理由にも挙げられていたように、安否確認以外の使い方として、同社は社内アンケートにも『安否確認サービス2』を活用されていました。導入時はコロナ禍が始まった時期であったため、新入社員の体調を確認するためのアンケートにも利用されていたようです。
最後に、今後の展望を伺いました。
「就業時間外に連絡を取らなければいけない場合のツールとして、メッセージ機能を活用できればと考えています。日常業務で使うまではいきませんが、ユーザー側が必要に応じて活用できるように理解を進めて行こうと思っています」(渡部氏)
「当社は災害時、社内の被害状況や取引先の情報をどのように収集・記録して発信するか、という課題があります。しかし、『安否確認サービス2』が社内に浸透しているので、別のツールを導入するより、同ツールを利活用する方が便利であり、災害発生時にはトヨクモさんのサービスに情報が集約できれば効率的だと思います」と田中氏は語ってくれました。