事例一覧エームサービス株式会社
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2万5000人を対象とした全社導入の決め手は、誰もが使える簡単な操作性だった

エームサービス株式会社は1976年に設立され、フードサービスを中心とした事業を行っています。オフィスや工場、学校から病院、福祉施設、スタジアム、トレーニング施設まで、グループ全体で全国約2900箇所で1日130万食を提供しています。付随して、オフィスコーヒーや給茶機、ウォーターサービスといったドリンクのサービスなども手がけています。

同社の従業員はなんと2万5000人にものぼります。多くはパート社員の方ですが、以前導入していた安否確認サービスではアカウントを付与できていませんでした。

今回、全員の安否確認を実現するため、『安否確認サービス2』を導入した経緯を人事総務部 総務厚生室 室長 岸格(きし いたる)氏にお話をお伺いしました。

エームサービス株式会社 人事総務部 総務厚生室 室長 岸 格氏

実際に災害を経験し、安否確認サービスの必要性を痛感した

同社では、昔から災害時の安否確認を行っていました。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災の時に正常に動作せず、その後、BCP(事業継続計画)管理の一環として、外部のパッケージサービスを導入しました。

「弊社は正社員が約6000人いますが、それに加えてパート社員の方が約1万9000人います。当時は、その方達全員にIDを付与することは、管理面だけでなく費用の面でも難しかったのです。そのため、社員だけパッケージサービスを使って安否確認をしていました。」(岸氏)

もちろん、有事の際は事業継続のためにパート社員の方の安否確認も行う必要があります。実際には、メールや電話、人づてなどの手段を使って、地道に行っていました。

2014年に中国地方で暴雨風による土砂災害が発生した時、事業所や現場にいる部署の責任者が全員の安否を確認することになりました。

「災害の直後は、『道路冠水や河川氾濫で事業所から動けない』『本人は無事だが物理的に通勤が不可能』、『物流の影響で食材が事業所に届かない』という従業員からの情報をまとめて、毎日上長に報告しました。2週間くらい続けたのですが、1日に2~3回の報告作業があると、それだけの業務だけで手一杯になっていました」(岸氏)

出社できない人がいれば現場が回りませんが、病院やシルバー施設の食事提供は止められません。そこで、近隣の無事なエリアにいる他拠点の社員をヘルプとして投入し、運営しました。その際、リアルタイムに情報を得て、対応していくことができなかったのが課題だったそうです。パート社員の方にもIDを付与して、安否確認をしなければならないと課題を抱えていました。

幅広い年齢層の従業員がいる中で、使い勝手の良さが決め手で導入した

『安否確認サービス2』を知ったのは、2020年9月に幕張メッセで開催された『オフィス防災EXPO』に出展していたトヨクモのブースに立ち寄られた時です。サービスの説明を聞き、画面の操作などを見て、「これはいいな」と思ったそうです。そこで、秋から冬にかけて無料お試しを行いました。

安否確認ツールの切り替えに際しては、複数社のサービスを比較検討したそうです。2万5000人全員に対して導入するシステムの決裁は役員が行うのですが、安否確認ツールの切り替えについて話をしたところ、機能を比較する前に、ビジネスとしてお付き合いのある会社のプロダクトを入れてはどうだ、と言われました。

岸氏はそのお付き合いのある会社や現在利用している製品の会社、トヨクモを含め、その他数社を検討しました。サービスを提供する管理会社側に全てを任せるタイプだと費用が莫大になってしまう、簡単に個人アカウントに紐付けてネットワークを構築するタイプだとハンドルネーム表示になってどこの誰だかわからない、などと細かくチェックしました。

機能とコストを比較した結果、トヨクモの『安否確認サービス2』が選ばれました。パート社員にはスマホの扱いに不慣れな人もいるので、使い勝手がいい、というところが最大の決め手になりました。

「あまり複雑なシステムだと、使いこなせない方も出てきます。そこで、なるべく簡単に使えて、導入の手順書やマニュアルが揃っているという点とサポートの体制が充実しているところを重視しました」(岸氏)

有事の際は送られてきたメールのリンクをタップするだけなので、誰でも簡単に回答できます。

人事情報システムとの連携でマスタの自動更新を実現

全社導入を前提に検討していたので、綿密にお試し環境での検証を行い、従業員からの反応がよかったため、正式導入となりました。社内報などにお知らせやマニュアルを掲載し、既存システムから乗り換えたのです。

お試しの時は、人事管理システムから書き出したCSVファイルを読み込むことで、社員情報を登録しました。全国に2万5000人も従業員がいるので、入社や退社、異動などは日常茶飯事です。正式導入時には人事情報を管理しているNotesとAPI連携を利用し、社内の人事情報を毎日更新するようにしました。

社内報で『安否確認サービス2』を全員に導入したことを告知しました。

パート社員を含め全社員に安否確認のアカウントが付与されると歓びの声が寄せられた

以前使っていた安否確認ツールでは、発災時の地域別発信機能が使いにくく、エリアの指定は設定できていませんでした。自宅住所を利用すると個人情報なので難しく、結局全国どこで地震が起きても、全員に発信していたのです。そのため、安否確認サービス2を導入した当初は、前のツールと同様、全国の災害を対象とした設定で運用していました。

「九州で大雨の特別警報がいろんな県で連続して出た時に、大量のメールが全員に送信されてしまいました。北海道に住んでいる人が、九州で発生した大雨警報の情報を、夜中に受け取る必要はないだろう、ということになって地域別の運用を見直すことにしました。勤務している拠点の情報は個人情報ではないので、それを元に都道府県別で地域を設定しました。2021年10月7日に千葉で地震が起きたときにはきちんと適切な人にだけ発信されたことが確認できています」(岸氏)

同社では『安否確認サービス2』のメッセージ機能も活用しています。もともと、人事管理システムでも、全従業員に対して社内のシステムでIDを振るということをしていませんでした。メールアドレスも拠点ごとにしか用意されておらず、責任者がメールチェックをしていたのです。

拠点の正社員からパート社員の方に対して業務連絡する手段が会社として用意できていなかったため、何かあったときのためにメールアドレスや電話番号を聞いて対応する状況が当たり前になっていました。

今回、『安否確認サービス2』を導入したことで、全員に個別のIDが振られて、メッセージでやりとりできるようになりました。拠点の責任者には部門マネージャーの権限を付けて、メッセージを立ち上げられるようにしています。

メッセージ機能でパート社員の方とのコミュニケーションが実現しました。

導入後、アンケートを取ったところ様々な声が寄せられました

  • 「安否確認ツールを全従業員に導入してくれたこと自体が、とても嬉しいです」
  • 「いつどこでどのようなことが起きるかわからないこの時代で、会社で安否確認をしてくれることは、家族や親戚からすると、本当に助かります」

危機管理マニュアルも長年使い続けると形骸化するので毎年少しずつ更新しているそうです。次の更新のタイミングでは、『安否確認サービス2』の製品名も入れて、システムとしてメインで活用していくとのことでした。

最後に、今後の展望を伺いました。

「積年の課題が解決されたのが、我々にとっては大きな成果です。とは言え、まだ"導入した"、というステータスなので、これから活用して全従業員の安全を担保していこうと思います。『安否確認サービス2』を導入することで、多くの従業員が満足してくれました。従業員が満足してくれることが大事なので、第一関門は突破したかな、と思ってます」と岸氏は締めてくれました。

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