災害時の情報収集と連絡をこのシステムひとつで
安否確認サービス2を活用し、市民に必要な支援を届ける
安否確認サービス2を活用し、市民に必要な支援を届ける
- 社名
- 浜松市役所
- ユーザー数
- エリア
- 掲載日
- 2024.5.22
課 題
以前は、災害時の連絡・安否確認の手段として電話を活用していたが、つながりにくいといった問題があった
他機関と上手く連携できておらず、要支援者に関係機関から何度も連絡してしまい、負担をかけてしまっていた
対 策
安定稼働に信頼性のある安否確認サービス2を導入した
安否確認サービス2を活用し、関係機関との連携・情報共有の仕組みを設計した
効 果
医療機関など他機関と情報共有しやすくなり、新型コロナウイルス感染症の対応もスムーズに
安否確認サービス2を活用した安否確認訓練を定期的に実施することで、他機関との連携を強化。市全体で災害対策が進んだ
健康福祉部健康医療課の西崎さんは、「大規模災害を想定した際に問題視していたことは3つある」と言います。その問題とは、「医療機関との情報共有」「保健医療ニーズの吸い上げ」「要支援者の安否確認」。今回は、3つの課題を解決するために、安否確認サービス2をどのように活用されているのか伺いました。
災害時に発生する「3つの課題」を解決するために
浜松市役所 健康福祉部健康医療課の日ごろの取り組みについて教えてください。
私が所属する健康福祉部健康医療課では、医療政策を中心に、救急医療・中山間医療・災害医療の分野を担当し、災害時、市民にどのように医療を提供するかという医療救護計画の作成も行っています。災害発生時には、各医療機関と連携し、被害状況の確認から医療の提供まで実施します。
災害時の対応について、導入前にどんな課題がありましたか?
課題を感じていたポイントは「医療機関との情報共有」「保健医療ニーズの吸い上げ」「要支援者の安否確認」の3つです。
まず、「医療機関との情報共有」。大規模災害発生時には、浜松市の各所に設けた救護所に医療関係者を派遣してもらう必要があります。その要請のため、災害時でも利用できる情報共有・連絡の手段の確保は急務でした。
関連して、「保健医療ニーズの吸い上げ」。面積が全国で2番目に大きい浜松市は、災害によって生じる問題も多種多様です。海に近い南の地域には津波の危険性があり、北の中山間地域は土砂崩れなどの恐れがあります。各地域で起こるさまざまな問題に対処し被害を最小限に抑えるため、どの場所にどのような支援が必要かというニーズを迅速に吸い上げる必要があります。
最後に、「要支援者の安否確認」。緊急事態発生時、要支援者の安否確認・状況確認にかかるスピードは命に直結します。たとえば人工呼吸器を利用し自宅で生活している方が停電の被害を受けた場合、私たちはいちはやく状況を把握し、支援することが求められます。
以前までは、どのように情報の共有や収集、安否確認を実施していたのですか?
システムを導入していなかったため、電話を活用していました。しかし、災害時に電話回線が輻輳して連絡がとれず、医療機関や地域の状況確認・情報共有が遅れてしまうことがありました。
また、要支援者には、私たち行政のほか医療機関や訪問介護ステーションなど関係各所からの連絡が相次ぎ、負担をかけてしまう結果になりました。スマートフォンを利用されている方にとっては、度重なる連絡はバッテリーの消費にもつながり、最悪の場合、連絡が途絶えてしまうリスクもあります。
このように電話を活用していた以前の体制には大きな問題があると感じていました。市民を守る立場として、情報収集・共有および安否確認の手段を確立する必要があると思い、最終的に安否確認サービス2の導入を決定しました。
設問フォームの自由度の高さが、導入の決め手に
安否確認サービス2を導入するまでの経緯を教えてください。
最初は救護所にIP無線システムを設置する案を検討していました。IP無線システムは電話回線を使わないため、災害時でも安定して連絡できるためです。
しかし、高額だったことにくわえ、連絡にかかる手間が電話と変わりません。そのため、別の方法を探すことになり、安否確認システムの導入を検討しはじめました。複数のシステムを比較し、そのうち3つほどお試し導入を行った結果、一番使いやすいと感じた安否確認サービス2の正式導入を決定しました。
安否確認サービス2を導入した決め手について教えてください。
安定稼働への信頼性があり、災害時における連絡・安否確認の手段として活用できることが導入理由の一つです。
ただ、一番の決め手になったのは、『設問フォーム』の自由度でした。ほかのシステムは、設問内容が安否確認に限定されていたり、設問数に上限があったりして、連絡や情報収集の手段としては活用が難しいと感じるものもありました。
一方で安否確認サービス2はユーザーに回答してもらう設問内容を自由に編集でき、設問数にも制限がありません。そのため、情報収集の手段として使いやすく、安否確認以外にもさまざまな用途で活用できるだろうとイメージできました。
くわえて、ユーザーの回答が自動で集計され、一覧で確認できるのも魅力でした。収集した安否や被害状況の情報を医療機関などにすぐに共有できることで、災害時における初動対応の迅速化につながっています。
そのほか、実際に利用されてみて感じたメリットはありますか?
『管理者権限』の柔軟性が非常に便利です。安否確認サービス2はユーザーをグループや階層にわけ、それぞれに管理者を配置できます。管理者ごとに閲覧可能な情報を制限することもできるため、複数の機関や要支援者と連携する必要がある私たちにとって、最適なシステムだと感じています。
今回、安否確認システムの導入を決めた背景には、要支援者の方にくわえ医療関係者の安否確認を実施したいという考えがありました。災害時には、医師会や薬剤師会などを対象に、どれだけの人員が救護所へ支援に向かえるかを把握する必要があるためです。
その際に、医師会等の本部担当者に管理者権限を付与しておくことで、それぞれの団体内で情報共有が行えるようになり安否確認もスムーズに進みます。また、市はすべてのデータを確認できるため、医師や薬剤師といった医療関係者がそれぞれ何人が稼働できるかを即座に把握可能です。人員配置を考えやすくなるのは、災害時対応を支える大きな効果だと思います。
パンデミック対応でも導入の効果を実感
安否確認サービス2をどのように活用されていますか?
直近では新型コロナウイルス感染症への対応で活用しました。
とくにコロナ禍においては、「いま患者を受け入れることが可能か」を病院間で連携することが必須でした。そこで安否確認サービス2を活用し、各病院に「どれくらいの重症度の患者さんを、何人ほど受け入れているか?」と重症度別入院状況を毎日回答してもらっていました。集計結果から状況を把握し、比較的余裕のある病院に患者さんを振り分けます。医療機関への負担を減らしつつ、市民に医療を提供できる仕組みを設計しました。
災害対応の面では、医療関係者および要支援者に安否確認サービス2の登録を進めていただいたうえで、定期的な安否確認訓練を実施しています。災害時における、情報共有・ニーズの吸い上げ・安否確認を迅速に行えるよう体制の強制を進めています。
訓練に対する反応はいかがですか?
医師会からは、「災害時を想定した情報発信や安否確認ができ、対応が整理できた」との声をいただいています。行政と医療機関が連携をとりながら、災害時に必要な情報について認識を共有できたため、有事の際にもスムーズに対応できると考えています。
安否確認サービス2は、どういった企業や組織に適したシステムだと思いますか?
ぜひ自治体や医療機関に使っていただきたいです。安否確認サービス2は、汎用性が高く、シンプルで使いやすいシステムのため、緊急事態時だけでなく平常時においても活用できる機会が多いと考えています。
安否確認に限らず、さまざまな情報を収集して共有できるため、他の機関と連携することの多い組織にとっては導入するメリットの大きいシステムだと思います。
今後、安否確認サービス2を使った防災対策の展望を聞かせてください。
保健医療福祉ニーズに関する情報を関係機関間で共有する仕組みを構築・改善し、より広げていきたいと考えています。
災害時には、避難所の情報収集や支援を求めている方の把握などを進めていかなければいけません。医療に限らず、福祉や保健まで含めた他機関とスムーズに情報共有できる仕組みを整えることで、浜松市民の方にもいち早く必要な情報とサービスを提供できるようになります。
市民の被害を最小限に抑えるため、安否確認サービス2を有効活用し、災害時の初期対応を迅速に行えるよう、より良い体制を検討していきます。
素敵なお話をありがとうございました。今後も市民の皆様の暮らしを守るために安否確認サービス2をお役立てください!
※掲載内容は取材当時のものです。