BCPの認知度調査
自社のBCP(事業継続計画)を把握している新入社員は17.5%BCPの認識度を調査、全国の新卒社員と防災担当者に
トヨクモ株式会社(本社:東京都品川区 社長:山本 裕次)が運営する、防災に特化した調査機関である防災総研は、全国200人以上の、2018年4月に新卒で就職した新入社員と防災教育の担当者を対象に実施した自社のBCPに関する調査結果を発表しました。防災教育担当者の75.7%が「自社のBCPを新入社員に教育した」と回答する一方で、「自社のBCP内容を理解している」と回答した新入社員は17.5%に留まることが分かりました。
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全国の企業内防災教育担当者103名に対する調査結果
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2018年4月に入社した新卒社員103名に対する調査結果
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(1)と(2)の乖離
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企業内防災教育担当者が困っていること、悩み
回答内容
訓練の形骸化
- 起こるか起こらないかわからないことなので、受け手がなかなか本気になってくれない
- 意識が低く近年真剣に取り組む姿が見られない
- 震災直後と比較するとモチベーションが低下してきている
災害を想定しきれているか
- 緊急時に本当に行動できるのか不安
- 実際に災害が発生した場合、マニュアルがどこまで役に立つのか
訓練の時間が取れない
- 研修の際、全員が集まる時間が取りにくい
- シフト制なので、全員が参加できない
安否確認方法に関して
- 連絡先などプライバシーに関する取り扱い
- 安否確認システムへの未登録
その他
- 社員それぞれの経験量の違い
- BCPの作成が難しい
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新卒社員が教わった内容
回答内容
避難指針
- 避難する際のルートの手順説明
- 営業時間外に防災が必要になった場合の行動
安否確認
- 上長に電話で連絡または警備会社の災害時連絡システムを使用する
- 必ず最初に管理者に連絡
災害時業務
- 避難所の設置方法や市民への対応方法
- 職場から半径5キロ圏内に住んでいる社員は、震度5以上の地震が発生したらすぐに職場に向かう
備蓄品について
- 食料や飲料水を確保しておく
本調査結果の見解
- 防災教育担当者に対する防災教育やルール策定の調査への回答は、総じて「はい」の回答率が高く、企業の防災意識が高いことが伺える。特に「自社の緊急時の連絡手段を使うルールは決まっているか」「営業時間内の災害対応は定まっているか」には90%以上が「はい」と回答している。
- 一方で、新入社員に対する調査では「自社のBCP内容を把握しているか」という問いに対して「はい」と回答したのは17.5%に留まるなど、全体的に低調な回答となった。また、BCPという単語自体の認知度も2割強に留まった。
- 防災教育担当者が高い水準で教育を行っていると認識している一方で、新入社員にはほとんどBCP教育がほとんど浸透できていないことが浮き彫りになった。
- 防災教育担当者が困っている点として、防災訓練の形骸化や時間の確保が難しい点が挙げられる。他にも、災害を本当に想定できているか不安な点や、社員が安否確認システムに連絡先を登録してくれない、といった点も挙げられる。
- 新卒社員が認識できている防災教育内容は「避難指針」「安否確認」など、シンプルなものが多いことが分かる。